革靴は高級ラインになればなるほど品質や形が良くなるのは当たり前。
全てのレザー製品の良いアイテムはいわゆるラインを使うような大量生産は出来ない(適していない)。
それは製造過程において確かな職人の経験や技術がものをいうからだ。
そのため技術料、デザイン料を加味すれば価格が高くなるのは当たり前の事である。
しかし、革靴の高級ブランドの殆どは海外メーカーのものが殆どで、技術料やデザイン料以外にどうしても輸入にコストがかかってしまう。
これはしょうがないこと。
しかしこの輸入コストのかからない、地元日本国産でも品質の良い革靴はある。
リーガルが最も有名な国産の革靴メーカーかもしれないが、注目したいのはパドローネ(PADRONE)だ。
このコスパと品質を兼ね備えた国産革靴(レザーシューズ)を今日は紹介していこう。
目次
パドローネ(PADRONE)はファクトリーブランドの良さの詰まったブランド。
まずパドローネはMIURA(ミウラ)という色々なブランドの下請けとして革靴を製造していた会社が立ち上げたファクトリーブランドだ。
ファクトリーブランドを簡単に言えば、下請け工場が作ったオリジナルブランドって事だ。
有名ブランドを通さない分、同じ品質のモノが安く買えてしまう。
が、しかしファクトリーブランドには難点もある。
それはデザイン面だ。
なにしろ作る技術はあれどデザインの力は無い会社も存在する。
たまに目も当てられないデザインで勝負しているモノも存在しているが、この点でパドローネはシンプルを極めたデザインでおかしな冒険をする事も無く、むしろデザインは高級感さえ漂う良いモノが多い。
靴のデザインにおいて、シンプルなモノのほうが製造においては技術力も試されるが、パドローネはギャルソンを初め色々なブランドの仕事をこなしてきた実績もあり、その点の心配もない。
つまりブランド品と比べ品質は同じで価格は安く買えるため、パドローネが靴の愛好家達から評価されるのも当然という訳である。
パドローネの物作りのコンセプトが良い!
ブランドコンセプトからして職人気質かつ、単純明快なコンセプトがホームページに掲載されているので引用しておこう。
熟練した職人によって培われた手作りの「業」に革新的な「技」
を融合。 古き良き時代の伝統や技術に裏打ちされた確かなクオリティに、現代的な仕上げを加えることで、独創的でありながら普遍的な美しさを体現する。
また、パドローネの名前の由来もファクトリーブランドらしい名の付け方だ。
「PADRONE」はイタリア語で雇い主などの意味を持ちます。
職人の世界では親方(雇い主)の下で技術を学び、長年の
経験を積み、はじめて職人と認められます。 古き良き時代の伝統や技術に敬意を払い、現代に継承していきたいという思いが込められています。
PADRONE公式HPより引用
このパドローネのブランド名、雇い主の存在を忘れない。自分たちは元来職人であると解釈していいだろう。
まさにファクトリーブランドらしくシャレたブランド名の付け方。
最もオススメの靴はダービープレーントゥシューズ
個人的にはサイドゴアブーツも好きなのだが使い勝手を考えると、まずは購入するのならダービープレーントゥシューズをオススメしたい。
シンプルなシルエットだがやや丸みが特徴的な外羽根式でカジュアルもしっかりとこなしてくれる。
デニム等を使ったアメカジも少しシルエットを引き締めて、スタイリッシュに変えてくれるだろう。
一足持っているととにかく役立つのがこのダービープレーントゥシューズ。
もちろんスラックスにも相性は良くオンもオフも使えるアイテムになっている。
また比較的に薄い革が使用されていて履いていても疲れにくい。
スニーカーのようだとまでは言わないが同価格帯の革靴の中では歩き心地も抜群に良い。
ちなみにコチラはもう一つのおすすめのサイドゴア。
スタイリッシュかつ軽快なイメージでコチラも使い勝手は良いだろう。
価格も3万円あたりで一足もっておけばよりファッションの引き出しをより増やせるだろう。
細身なシルエットを保ちつつ履くのも脱ぐのも容易なので、革靴に不慣れな人はここから試してみるというのもいいかもしれない。
サイズ感
サイズ感は各メーカーの履く人をちょっとだけ選ぶ味付けみたいな部分だと思う。
もちろん個人の感覚差があるのだが、ブログの読者からありがたい事はシワブーツ・サイドゴア
ちなみ私の場合、足の形は足幅標準、甲は少し高いかな??といったくらい。
で、スニーカーならニューバランスM1400なら8(26cm)を愛用しているが、パドローネのダービーでは40が丁度いいといったところ。
これだけの情報では心もとないと思うので、何よりも、まずは参考にするのはメーカー公式発表の以下を参考にすると良いだろう。
サイズ40
全長29cm 全幅10cm ヒール高2cm
(25.0cm~25.5cm)サイズ41
全長30cm 全幅10.5cm ヒール高2cm
(26.0cm~26.5cm)サイズ42
全長31cm 全幅11.0cm ヒール高2cm
(27.0cm~27.5cm)
Amazonより引用
あとは出来る限り、レビューなどから検討するのがもっとも良いと思う。
またコチラの取扱店の店員達が普段履いている靴との比較や、それぞれのサイズ感が書いて有った。
またレビューも多く購入前には目を通してみるといいと思う。
パドローネ プレーントゥ ジャック ブラックPADRONE DERBY PLAIN TOE SHOES JACK BLKPU-7358-2001-11C
もう一つ、余計なお世話かもしれないが、シルエット的に大きめが良いという場合はワンサイズ大きくしてインソールで調整するという手もあるので検討してみてもいいと思う。
参考まで、革靴との相性が良いと評判の薄手のインソールを紹介しておく。
パドローネのマッケイ製法とシルエットの関係性
パドローネの靴の多くはマッケイ製法で作られている。
少しだけマッケイ製法を簡単に説明すると
甲革と本底を貼り合わせた後に
- 甲革
- 中底
- 本底
この三枚の革を一緒に通し縫いしている製法だ。
マッケイ製法の特徴は他の製法に比べると構造がシンプルなため、軽くてソールの返りが良く歩き安いのが特徴だ。
構造もシンプルな為、グッドイヤーウェルテッド製法よりもシンプルなシルエットの靴を作ることが出来ると言われている。
このマッケイ製法で作られている事もパドローネの靴(全てではないが)のデザインの特徴の一つだと思う。
また、マッケイ製法による靴はそのまま足を包み込むような仕上がりで履き心地は良いのはもちろんだが、難点として木型の形がダイレクトに出てしまう。
この木型の形がダイレクトに出るという事は、木型自体が日本人向けに製造されていればそれだけ革の馴染みが早い。
国産革靴のパドローネの商品は海外メーカーのモノと比べると馴染みが早く履きやすい商品といえるのも特徴といえるかもしれない。
もちろん海外の靴も日本人向けの木型を用意して作られたモノはあるがパドローネと比べると価格帯が違ってくる。
さらに職人の手によって一つ一つ丁寧に革の性質を見極めて張りを調節していくのでライン工場などではとても出来ない職人の技も光る。
マッケイ製法のデメリット
デメリットを挙げるとするとソールの交換だ。
どうしてもインソールごとアウトソールと縫い合わせる事になり革の耐久性損なわれやすい。
気になる場合はラバーの補強や交換を早めに行っておく事で使用年数が大きく変わってくるので長年の使用を考えるなら対策を行うようにしよう。
あと、使用しない時はシューキーパーの使用が望ましいのはどんなシューズにも言える事だ。
シューキーパーは最近は安いものが有る(100均にも有る)。
しかし安いものはバネ式で靴に掛かる力が強すぎることやアッパー方向に負荷が掛ってしまったりしてしまうので、サイズ調節可能なモノの方が望ましい。
素材はやはり木の方が吸湿&脱臭の面が良いのでオススメしたい。
シューキーパーについてはコチラにオススメのものを紹介しているのでどうぞ↓
使用されるレザーについて
パドローネのレザーは基本的に薄めでしなやかなものが多い。
強度に関しては履き方一つで左右されてしまうのでなんとも言えないが、見た目にはキレイに履いていきたい靴で有ることには間違いない。
日常的にブラッシングとレザー用のステインリムーバー(汚れ落とし)等の手入れは行ったほうがいいだろう。
最近は手入れの道具もセットになって2000円もしないものがある。
さらに手入れにこだわりが出てきたら、より良い道具を買い足していくのもいいだろう。
やはり革靴はスニーカーと違って、履きつぶすより育てる感覚を大切にしたいものである。
まとめ
以前に書いた記事で紹介したホワイツブーツの半額以下で買えてしまう国産の革靴パドローネを紹介した。
コチラはホワイツブーツのセミドレスの記事↓
実は革製品で日本製は良いものが多いのだが、靴に関してはどうしても海外ブランドに目を向けてしまいそうになる。
が、良いものは日本でも沢山作られているのだ。
革靴全体に言える事だが経年すれば持ち主の足の形に近づいていく。
自分の足にフィットした革靴は二度と手に入らない一生モノのとも言えるオリジナリティーを秘めたアイテムになる。
良い靴を購入したら、出来るだけ靴を育てるという感覚を大事にしていこう。
最後にBEAMSの別注のアイテムも紹介、コチラもは着心地の良さが評判!
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