三宅乱丈のぶっせんの感想。至極の仏教コメディーはこの漫画。

悟りを開く・・それは仏教の最上の境地。

そして悟りが開けるのを売り(50単位取得で悟りらしい)に学校経営・・いかにも胡散臭い話だが、この漫画(ぶっせん)の舞台の設定だ。

ぶっせんのあらすじと登場人物

「50単位で悟りが開ける!? つか、悟りって何?」

貧乏寺が資金繰りのために開いた仏教専門学園、通称「ぶっせん」。そこに集まった愛すべきお馬鹿な生徒たちが繰り広げる、奇想天外&抱腹絶倒の学園生活が始まった。女人禁制、男だらけの寺生活。座禅や荒行、托鉢、精進料理などなど、仏教の道を求めるための苦行に満ちた学園生活。しかし、坊主の卵とはいえクリスマスは楽しみたい、女子と話をしたい! といった若者ならではの欲求は止められない!? 仏教的青春学園ライフが今、始まる!!

TBSテレビ公式サイト(ドラマ版)より引用

 

 

学園ものではあるが、舞台は貧乏寺と金満体質な寺の2つがある山での話。

いうなれば寺院経営をめぐるドタバタコメディ。

仏教をテーマにしたギャグ漫画では秀逸のおもしろさで、貧乏寺が経営する学校関係者も同じ金満経営のライバルの寺院経営者も皆キャラが強い。

しかも講師は宗派を超えて密教系だったりと。

ちなみに私は上のあらすじにかかれている様な青春感はやや薄いと思う。

その青春感の薄さは仏教のドライな所と金に対する人のドライな部分がリンクしているからだと思う。でも、その部分が非常にキレていてコメディとして成立している。

また登場キャラが多く読んでいれば一人は自分の好みのキャラが見つかると思う。

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作者、 出版社 連載雑誌等

講談社のモーニングにおいて連載されていた。作者は現在イムリで有名な三宅乱丈。しかもこれがデビュー作。

彼女の精神世界や心理好きの一端がぶっせんでもみられるが、この漫画はあくまでもギャグとして仏教を扱っている。

しかし仏教を脳科学的に解釈したり、世俗的に都合よく解釈してみたりと面白い。

仏教、特に禅などに触れるきっかけとしては面白いマンガだと思う。

ちなみ、同じく仏教を扱った漫画、あっかんべェ一休のような暗さはまったくない。

 

また、ぶっせんはTVドラマ化され主演は吉沢亮がつとめた。

ぶっせん主演 吉沢亮

公式サイトより

私は映画版しか見ていないが寺を舞台にした青春モノといえばファンシィダンスも有名だ。

感想

あらすじにも少し書いてしまったが、仏教のドライな部分はコメディにすると私は少しブラックな匂いもして非常にツボだった。

特に好きなキャラの住職はハワイで遊び呆けるしピストルだって持っている。

いわゆる破戒僧みたいなもんだが、弟子の前では良い事を言ったような雰囲気だけだして実際は本当の遊び人。

また仏教とは関係の無い所の小ネタも面白い。

シド・ヴシャスに憧れている奴もいれば、男子校のはずなのに宝塚の男役に憧れている女生徒など。さらには日本語が話せないイタリア人も同級生にいる。

このあたりは三宅乱丈のキャラの設定が上手く、自然にキャラが動いていくような感じで読みても面白く読めた。

マトメ

三宅乱丈のデビュー作のぶっせん。

現在連載中のイムリはダークファンタジーだがデビューはギャグ漫画。

しかしギャグの中にやはりダークの片鱗は垣間見えてイムリファンなら一度は目を通してみるといいと思う。