漫画【BLUE GIANT】感想。青春を味わいたい人へのオススメ漫画


ブルージャイアントは文句なしに面白い。

現在はBLUE GIANT Supremeが連載中だが、ここではとりあえず前作としてのBLUE GIANTをオススメする。

漫画では音楽漫画と青春はセットにして書かれる事が多い。

BECKしかり、のだめしかり。

それら音楽漫画の中でもブルージャイアントの青春の輝きは秀逸だと思う。

個人的には、どんな精神状態の時でも、この漫画に出会っても読めば前向きになれると思う。

それくらいオススメしたい漫画。

漫画家・石塚真一について

小っ恥ずかしいくらいの純粋性を秘めた主人公を書かしたら石塚真一を超えられる漫画家は少ないかもしれない。

代表作の「岳」でも描かれたように純粋で真っ直ぐな主人公像はブルージャイアントでも健在。

こう書いてしまうと他にバリエーションがないのか?とも思われるかもしれないがストーリーも面白く主人公も魅力的ならそれで良いというのが読者としての素直な感想だ。

このブルージャイアントも作者・石塚真一の「岳」に描かれた山を愛する心と同じくらいJAZZ愛を感じる話になっている。

また、全体のストーリーの中にそれぞれの人間性などが詰め込まれていてそれも一つの魅力になっている。

作者は浦沢直樹、弘兼憲史のファンだというのも十分に頷ける様に人間の描き方が上手いと思う。

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BLUE GIANTのストーリー

人間を描いたエピソードの数々は、JAZZを通して人間の性善説をとったモノで読後感はなんとも言えず温まるモノがある。

そして、青春の熱さや青さ、自分の若い頃にしてなかった様な努力がしんみりと身に沁みてくる。

それは決して努力をしなかった自分を責めるように身に染みるのでなく心の中がフツフツと滾るモノを思い出させてくれるようなモノ。

手っ取り早く言えば、やる気が出る!!という漫画。

 

主人公はバスケ部に所属する宮本 大。
中学の時、友人に連れられて見に行ったジャズの生演奏に心打たれた。
その後、たった独りでただがむしゃらにテナーサックスの練習をはじめる。

ダンクシュートを打つ身長も、ジャンプ力もない。
身体には限界がある。
でも音にはきっと………

楽譜は読めず、スタンダードナンバーも知らない。
ただひたすら真っ直ぐ突き進んでいく。

絶対にオレは世界一のジャズプレイヤーに、なる」。
雨の日も猛暑の日も毎日毎日サックスを吹く。
初めてのステージで客に怒鳴られても。
それでも大はめちゃくちゃに、全力で吹く。

僕好きだな、君の音」。
ものすごくめちゃくちゃな演奏。
でも、人を惹きつける力が大の音にはある。

激しく変わる。激しく成長する。
ジャズに魅せられた少年が世界一のジャズプレーヤーを志す物語。

http://bluegiant.jp/first/story/より

あらためて、あらすじを読んでみて思ったのは先にも言った

(小っ恥ずかしいくらいの純粋性)

私がそこを感じる原因はきっと主人公(宮本大)が屈辱感を感じない所だと思う。

BLUE GIANTの主人公宮本大

もちろん挫折もするし、どうにもならない事情で思うようにならない事もあるのだが決して人を恨まずただただ前進あるのみ。

ここまで言うと、そんな奴いねーよとも思うが、そこは10代の青さも持ち合わせていていつも誰か周りの大人が宮本大を見守っている。

私は宮本大を見守っている大人たち、この目線が読者を引きつける部分だと思う。

それはこの漫画の大人たちは皆、夢見る事の終わった人間だからだ。

言ってしまえば惰性でJAZZ界や音楽の世界に生きている人が多く描かれている。

そんな大人たちが宮本大と触れ合うことで気づけば自身も前を向く事を思い出す。そして読者である私も前を向く・・・。

主人公以外の若者も良い

主人公の友人として他の若者も多数出て来るが、特にバンドメンバーも非常に良い。

彼らも、周りの大人と同じように宮本大に影響される訳だが、決定的な違いは宮本大と共にバンドメンバーとして同じ道を歩めるという所。

公式サイトより引用

ネタバレを避ける為に詳しくは描かないが、超絶技巧の技術を持ったピアニスト。

一見冷たい人間の様に見えてしまう。

しかし理想はずっと高い位置にありそこまでを最短距離で進もうとしている。それ故、どうしてもクールに振る舞ったり、障害となるものがあれば排除しようとし宮本大と衝突する場面も多い。

 BLUE GIANT 玉田

公式サイトより引用

同郷の宮本大を部屋に居候させてやる高校時代からの同級生。

ある意味、宮本大の影響を一番強く受けた人間。

普通の大学生がジャズマンになっていく過程はもう一つのストーリーとしても漫画になりそうな位に泣ける。

マトメ

ちょっと人生に疲れた人には特にオススメしたい。

私はJAZZは普段耳にする事はないのだが、この漫画の影響でふと生活の中のBGMとして流すようになった。

正直漫画の中で書かれているようなJAZZの音の違いや迫力、さらには熱量までは分かっていない。しかし、生活の中のBGMにJAZZというジャンルは増えたのは確かである。

もちろん音楽の事が全く分からなくても楽しめる漫画。

何よりも漫画とSWING出来るのでとにかく読んで見る事をオススメする。