イサックの感想。歴史好きにはロマンの塊のようなストーリーだ。

個人的に好きなマンガ原作者、真刈信二

代表作の勇午】は、一般の社会人では知りえないお話満載の社会派ミステリーを提供してくれた。

彼の話はノンフィクションライターだった過去がそうさせるのか、話の細部がとてもリアルでシリアス。

そんな真刈信二が原作を手がけた歴史物という事で期待して読んだのが今回紹介したいマンガのイサックだ。

これが現在もまだ連載中だが滅法面白く、設定の上手さも良いし、ストーリーもあり得ない事でも妙にリアルでいい。

ちなみに、作画担当はファンの多いマンガ【死がふたりを分かつまで】でも作画担当していたDOUBLE-Sで、読みやすくスタイリッシュな構図と共に物語もテンポよく進む。

イサックのあらすじ

2つの勢力に別れ、後に30年戦争と呼ばれる激しい戦いの最中にあった17世紀の神聖ローマ帝国。
そこに傭兵として現れたのは「イサック」と名乗る日本人の男! 彼の壮絶な戦いが始まる!

『勇午』の真刈信二氏と『死がふたりを分かつまで』のDOUBLE-S氏の新タッグがおくる、骨太エンターテイメント!

アフタヌーン公式サイトより引用

あらすじの補足

設定は、世界史でいう30年戦争が舞台。

30年戦争とはプロテスタントの反乱をきっかけに勃発し、神聖ローマ帝国を舞台として、1618年~1648年に渡って行われた宗教戦争。

Wikipediaより引用

設定的に無理がないか?と思ったのだが第一巻の巻末にて真刈信二が調べた資料によると、実際に日本人が兵士として戦っていた資料があると・・

大阪夏の陣が終わり、いよいよ名実ともに徳川の時代が来ると共に、様々な日本人が海を渡り傭兵となって戦ったというのは、にわかには信じられない事だ。

つまり、このマンガはあくまで空想ではあるが、昨今の流行りである転生モノでも無いという事。

現実に起こりうる設定であったという事である。

ちなみに主人公のイサックは武士では無く鉄砲鍛冶で、長距離を撃ち抜くスナイパー能力も高く、おまけに剣の腕も十分に立つので、まさに最強の傭兵といったところ。

しかし、敵対する側にもイサックに匹敵する能力を持つ日本人がいる・・

彼とイサックの間には何が・・・

スポンサーリンク

感想

日本人があの時代に海を渡り傭兵としてヨーロッパの戦場を戦った・・。

これだけでロマンたっぷりの設定である。

そして、この話をより設定的におもしろくさせているところに、主人公のイサックの使用する武器がある。

それは、日本製の銃。すなわち火縄銃。

この時代の日本の火縄銃の精度は他国と比べてもかなりのモノだったようだ。

ちなみに戦国時代末期には日本は50万丁以上を所持していたともいわれ、当時世界最大の銃保有国。

その銃の量は世界全体の3分の1だったなどとも言われている。

これは、当時の日本が、いかに戦闘に明け暮れており、また戦場が身近なモノであったかが分かる。

さらにイサックのキャラクターも非常によく、格好いいアジア人の顔が特徴的に描けている。

イサック一巻より 

切れ長の目に鎧兜と、いくらなんでも17世紀のヨーロッパにこの姿は!?と一瞬驚いてしまったが、読み続けると全く気にならなくなる。

物語は30年戦争を主題に進んでいくが、イサックがはるばるヨーロッパまで来た原因である、同じ鉄砲鍛冶の師匠を持つ錬蔵(ロレンツィオ)との因縁深い関係があくまでストーリーの中心である。

あと、物語の感想だけでなく絵柄についても素晴らしい。

全体的に読みやすい構図に、服のシワまで丁寧に描き上げる緻密な描写も良く、さらに戦闘シーンでは荒々しい戦場の感じが伝わってくる。

私は【死がふたりを分かつまで】読んでいないが、イサックを読んでいると面白いんだろうなぁと思わせる画力だ。

まとめ

なかなかヨーロッパの歴史は頭に入ってこないが、こんなロマンたっぷりの物語があるのなら興味が持てる。

この時代の日本は、島国で100年以上戦闘に明け暮れた世界的にも稀有な民族かもしれない。

海を渡り、戦場に行けば他民族よりも戦闘能力の高さは目を見張る者があっただろう。

つまり、日本人が30年戦争に参加していたという、一欠片の史実が原作者・真刈信二の目に止まった。

その時点で、彼の手にかかりその史実は面白い漫画になるのが決定的だったのだと思う。

余談ではあるが、源義経がモンゴルに渡ってフビライ・ハンに成ったなどの都市伝説も存在するがそちらはもう一つ漫画向きではないのだろう・・・

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。